企業版ふるさと納税とは|企業版ふるさと納税 ふるさとコネクト

企業版ふるさと納税をどこまでご存知ですか?

  • ふるさと納税には、企業版もある?!
  • 1割負担で寄附ができる?10万円の原資で100万円?
  • 事業展開のために自治体と繋がりを作るために、ふるさと納税が活用できる?
  • 企業版ふるさと納税は、SDGs活動に資する活動としてPRできる?

どれも全て正解です。

2019年秋から、企業版ふるさと納税専門にコンサルタントを続けている小坪氏より、効果的に活用するための注意点も合わせて、徹底的に解説いただきます。

企業版ふるさと納税の税制改正内容に関しては、続編の下記をご覧ください。

小坪 拓也
講師

小坪 拓也(こつぼたくや)

株式会社カルティブ

SDGs地方創生ファンドレイザー
企業版ふるさと納税コンサルタント

企業版ふるさと納税の税制改正内容

目次

企業版ふるさと納税の制度概要

企業版ふるさと納税の正式名称は「地方創生応援税制」と言います。2016年度に内閣府主導により制定された地方創生施策となります。まちひとしごと総合戦略の中に位置づけられており、志ある企業が地方を応援するためのきっかけづくりの意味が強いと考えています。

法人税等に対する特例的な減税措置を行うことにより、企業が地方の自治体を支援するためのインセンティブを付けることを制度の中心に据えており、具体的には、寄附を行うと通常の損金算入による軽減効果約3割に加えて、企業版ふるさと納税の特例措置として税額控除を最大3割受けることができます。
合計で最大約6割の減額となることから、寄附の実質の自己負担は4割となります。

2020年4月の改正により、税額控除部分が最大3割から最大6割に引き上げられたため、企業の実質負担が1割になるケースが出てくるということで話題を生んでいます。

改正後には、例えば100万円の寄附を行った場合には、決算時において税金が最大90万円分減額されるため、1事業年度で考えた際には実質のキャッシュアウトは10万円となる計算になります。決算期直前に行えば、原資10万円で100万円や原資100万円で1000万円の寄附が行える可能性があるということです。

制度を利用するための条件は下記の2点です。
  • 自治体の「プロジェクト(※1)」に対する寄附であること
  • 自治体のプロジェクトが内閣府に企業版ふるさと納税の対象として認定されていること

※地方版総合戦略に関連する地域再生計画として申請・認定が必要

企業版ふるさと納税の経済的便益・ベネフィットの考え方

企業版ふるさと納税では、個人版のように肉や魚などのいわゆる経済的な便益を受取ることを禁じています。しかしながら、経済的にあたるかどうかの基準については、内閣府税制改正Q&Aに具体的に記述があり、ここでは経済的に当たらないと考えられる事例をいくつかご紹介したいと思います。

  • 場所の命名権

    たとえば、企業版ふるさと納税のプロジェクトとして公園を整備したあと、地元の子どもたちから名前を公募し、公募された中から公園の名前を指定する権利を提供するようなやり方であれば、経済的な便益には当たらない可能性が高いと言えます。

  • CSR・SDGsとしてのストーリー提供

    たとえば、寄附と合わせて「研修の場として工場内の敷地を貸し出す」、「ボランティアとして地域の方と一緒に文化財の清掃活動を実施する」など、企業の活動して発信しやすい建付け・ストーリーを一緒に検討する。

  • 課題検討プログラム

    たとえば、プロジェクトの一環として、企業と自治体で現地課題について現地でディスカッションを行う。寄附による資金提供に限らず、企業としてしっかり参画した形でのプロジェクトの方がより企業としては資金協力(寄附)しやすくなります。

  • 教育研修プログラムの協働実施

    地元の企業向けの研修に、寄附企業を招待する。都会の企業から見ると、地方にある熱意ある有力企業との産業との産業交流の場は非常に価値が高いと考えられる。

その他にも、寄附企業同士の交流会や、通常は入場規制されているようなイベントへの参加権など、検討余地は様々残されていると言えます。経済的な便益の解釈は社会の動向を見て各自治体様の責任において行われるべきものではありますが、地元の住民や、また寄附を検討している熱意ある企業とともに、しっかり検討されるべき項目だと言えます。

企業版ふるさと納税の利用制限/対象自治体の制約

企業版ふるさと納税が、内閣府より認定されたプロジェクトへの寄附であることは前段でご説明しましたが、実際の利用にあたってはいくつか利用制約があります。

  • 寄附先の条件:本社所在地に該当する自治体への寄附は制度対象外※寄附を行うことは可能ですが特例措置を受けられません。
  • 寄附を行うことの代償として「経済的な便益」を受け取ることは禁止
  • 最低寄附金額:10万円
  • 一部の自治体は制度適用外

対象自治体(令和2年4月現在)

企業版ふるさと納税の控除額・上限の考え方

ふるさとコネクトでは、今後、おおよその上限計算を簡易的に計算できる仕組みを導入予定です。
確実に控除を受けるためには、まず下記を確認しましょう。

①制度の適用条件を満たしているか
②自社の控除額の上限額を計算する

※②においては、課税対象所得・繰越欠損金・各納税先自治体の税率等が反映されるため、詳細な金額に関しては、顧問の税理士にお問い合わせください。

①制度の適用条件を満たしているか
  • ・自治体の「プロジェクト(※1)」に対する寄附であること
  • ・寄附対象のプロジェクトが内閣府に企業版ふるさと納税対象事業として認定されていること
  • ・本社所在地に該当する自治体への寄附ではないこと。
  • ・寄附を行うことの代償として「経済的な便益」を受け取らないこと
  • ・寄附金額が、10万円以上であること
②控除額の上限額を計算する。

資本金・課税対象所得・各自治体の税率等をもとに、寄附額と軽減額をまとめましょう。法人3税ごとに控除を受けられる制約条件がありますので、そちらをご確認ください。

注意点

1.およそ1割の負担で実施できる寄附の上限に関しては、課税対象所得の1%前後と言われています。各企業の税務状況により大きく上下するため、詳細は顧問の税理士にご確認ください。
2.2020年4月より改正された税制優遇の適用は、各企業の事業年度基準(新事業年度から)となります。たとえば、6月決算の企業様の場合には、2020年7月1日以降に行われた企業版ふるさと納税が、税額控除6割の対象となります。

控除・上限額に関する考え方はこちら

参考資料:

出展:01_(別紙1)企業版ふるさと納税の拡充・延長.pdf

企業版ふるさと納税_市場推移

出展:地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の寄附実績(平成28年度、29年度、30年度)について

制度から見た企業版ふるさと納税

企業版ふるさと納税(地方応援税制)は、2016年(平成28年)に、第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」とともに施行されました。2020年4月で6年目に入り、5年周期で大幅に改定される総合戦略に合わせて、今回大幅な税制改正が行われました。

内閣府より出されている【まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(令和元年改訂版)及び 第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(概要)】のP4に下記のように記されているように、「東京一極集中の是正に向けた取組の強化」のために「地方とのつながりを強化」をする施策として拡充が検討されており、「地方移住の裾野が拡大される」ことが期待されています。

今回の税制改正で、自治体の利用ハードルは大幅に改善され、また企業の活用インセンティブが大きく向上したことで、自治体・企業ともに利用が大幅に進むことが言われています。

参考資料:

第2期「総合戦略」 <第2期のお主な取り組みの方向性>

出展:まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(令和元年改訂版)及び第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(概要)

企業事例

アルビオン×秋田県

地域と企業のWin-Winの関係実現

秋田県藤里町に化粧品原料の研究開発拠点を置く株式会社アルビオンは、企業版ふるさと納税を活用した寄附を秋田県へ行いました。自社が研究開発で恩恵を受けている地域へ貢献をしたい、という想いを叶え、地域の観光資源である世界遺産白神山地保全への協力へ繋がったよい事例と言えます。この事例では、寄附だけでなく藤里町と包括連携協定を締結し、地域文化の共有や防災・災害対策、人材交流や地元採用を進めるなど、その後の地域貢献も続けており、CSRやCSV,SDGsやESGの潮流を掴んでいます。
自然環境保全という大きなテーマに、企業版ふるさと納税制度を通じて企業として取り組むことで地域と密接な連携を図っていることなどが高く評価されました。

自治体事例

岡山県瀬戸内市

地域貢献寄附

日本刀と言えば、岡山県瀬戸内市。瀬戸内市長船町はかつて全国一の日本刀の生産量を誇る日本刀の聖地と呼ばれていましたが、市内に国宝、重要文化財の刀剣は残っていません。そこで県外への流出が懸念されていた国宝「山鳥毛」(日本刀)を生まれ故郷である瀬戸内市へ里帰りさせるプロジェクトを実施しました。地域一体となって情報発信と寄附の依頼を行った結果、多くの個人・企業から共感され2018年11月1日~2020年3月1日(現在)までに個人版ふるさと納税で16,074件、企業版ふるさと納税で144件、総額8億5千万円を超える寄附が集まりました。地方に優れた文化財を残し、子ども達への教育や地域活性化に資する今後の取り組みに期待が集まっています。

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